いまさら聞けない「ダウ平均株価」 世界の相場を動かす30銘柄を注視せよ

山下耕太郎 2021/05/19

《日々、ニュースで見聞きする「ダウ」という単語。もちろん、アメリカの「ダウ平均株価」だということはご存じでしょうが、なぜそれが重要な情報として報道されるのでしょうか?。一体、ダウとは何なのか? 株をやるなら知っておくべきダウ平均株価の基礎知識を振り返ります》

ダウ平均株価とは?

ダウ平均株価(正式名称:ダウ・ジョーンズ工業株価平均)は世界で最も有名な株価指数(インデックス)で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙を発行元でもあるダウ・ジョーンズ社が算出・公表しています。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック市場に上場している企業の中から選んだ30銘柄を対象にしています。銘柄の入れ替えは随時行われており、正式名称には「工業株」とありますが、現在は金融株やヘルスケア関連株など、幅広い業種の銘柄で構成されています。

S&P500やナスダック指数との違い

現在のダウ平均株価は1896年に算出が始まり、世界で最も長い歴史を誇る指数でもあります。

アメリカの株価指数としては、ダウ平均株価以外にもS&P500種株価指数ナスダック総合株価指数が有名です。S&P500種株価指数は、アメリカ企業の中から500銘柄を選出。ナスダック総合株価指数は、ナスダック取引所に上場している全銘柄(約3,000銘柄)が対象になっています。

それに対してダウ平均株価はわずか30銘柄なので、より厳選された銘柄構成と言えます。その結果、以下のような世界的企業が現在のダウ平均株価を構成しています(2021年5月18日時点)。

・ダウ平均株価の全構成銘柄

シンボル 銘柄名 業種 採用日 上場市場
AAPL アップル コンピュータ 2015/3/19 ナスダック
AMGN アムジェン 医薬品 2020/8/31 ナスダック
AXP アメリカン・エキスプレス 金融 1982/8/30 NYSE
BA ボーイング 航空機 1987/3/12 NYSE
CAT キャタピラー 重機 1991/5/6 NYSE
CRM セールスフォース・ドットコム ソフトウェア 2020/8/31 NYSE
CSCO シスコシステムズ 情報・通信 2009/6/8 ナスダック
CVX シェブロン 石油 2008/2/19 NYSE
DIS ウォルト・ディズニー・カンパニー 娯楽・メディア 1991/5/6 NYSE
DOW ダウ 化学 2019/4/2 NYSE
GS ゴールドマン・サックス 金融 2013/9/20 NYSE
HD ホームデポ 小売 1999/11/1 NYSE
HON ハネウェル・インターナショナル 機械・精密機器 2020/8/31 NYSE
IBM アイ・ビー・エム(IBM) コンピューター 1979/6/29 NYSE
INTC インテル 半導体 1999/11/1 ナスダック
JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン 医薬品 1997/3/17 NYSE
JPM JPモルガン・チェース 金融 1991/5/6 NYSE
KO ザ コカ・コーラ カンパニー 飲料 1987/3/12 NYSE
MCD マクドナルド 外食 1985/10/30 NYSE
MMM スリーエム(3M) 化学 1976/8/9 NYSE
MRK メルク 医薬品 1979/6/29 NYSE
MSFT マイクロソフト ソフトウェア 1999/11/1 ナスダック
NKE ナイキ その他製品 2013/9/20 NYSE
PG プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) 生活必需品 1932/5/26 NYSE
TRV トラベラーズ 保険 2009/6/8 NYSE
UNH ユナイテッド・ヘルス 保険 2012/9/21 NYSE
V ビザ(VISA) その他金融 2013/9/20 NYSE
VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 通信 2004/4/8 NYSE
WBA ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス 小売 2018/6/26 ナスダック
WMT ウォルマート・ストアズ 小売 1997/3/17 NYSE

ダウ平均株価の銘柄入れ替えと算出方法

ダウ平均株価のスタート当初、1896年の銘柄数は12銘柄でした。その後、1916年に20銘柄になり、1928年からは30銘柄で構成されるようになりました。

構成銘柄は定期的に見直されており、現在は1932年に採用されたP&G(プロクター・アンド・ギャンブル<PG>)が最も古い企業となっています。

反対に、最も新しい銘柄は、2020年8月に採用されたアムジェン<AMGN>、セールスフォース・ドットコム<CRM>、ハネウェル・インターナショナル<HON>の3銘柄です。

ダウ平均株価の算出方法は、日経平均株価の算出にも用いられている「ダウ式平均」という方法です。権利落ちや銘柄の入れ替えがあっても過去との連続性を失わないよう、必要に応じて除数で調整します。計算式で表すと、次の通りです。

ダウ平均株価が世界のマーケットを動かす

ダウ平均株価は世界を代表する銘柄で構成されているため、その動向はアメリカのみならず、世界中の多くのマーケットに影響を与えます。

日本を代表する株価指数である日経平均株価も、ダウ平均株価が上昇すれば上がり、下落すれば下がる傾向がよく見られます(必ずしも連動しているわけではありません)。

また米ドルも、ダウ平均株価が上昇すれば、経済が上向くとの思惑からドル高になる傾向があります。

ダウ平均株価の値動きは多くのマーケットに影響を与えるので、株式・為替・債券・商品(コモディティ)といった市場で取引するときも、ダウ平均株価のチェックは必須といえるでしょう。

ニューヨーク市場の取引時間

ダウ平均株価をチェックする際に気をつけたいのが、それが動く時間帯です。ダウ平均株価が動くのは、ニューヨーク証券取引所が開いている時間です。ニューヨーク証券取引所の取引時間は、以下の通りです。

  • 立会:月曜日~金曜日(祝祭日を除く)
  • 立会時間:現地時間9時30分~16時00分(日本時間23時30分~翌6時00分)
    ※サマータイム期間(3月第2日曜~11月第1日曜)は1時間早くなります

日本では深夜から早朝に時間帯となりますので、ダウ平均株価の動きによっては、翌日朝から日本市場に影響が出ることもあります。

〈参考記事〉コロナで「おはぎゃー」続出 知っておきたいアメリカ市場の基礎知識

ダウ平均株価を取引する方法

先物取引でダウ平均株価を買う

先物取引を使えば、ダウ平均株価を取引することもできます。また、買いだけでなく売りからも取引できるので、ダウ平均株価が上がっても下がっても利益を狙うことが可能です。

NYダウ先物はCBOT(Chicago Board of Trade=シカゴ商品取引所)で取引されていますが、大阪取引所でも取引可能です。大阪証券取引所のNYダウ先物は円建てで取引できるので、為替レートを気にする必要がありません。つまり、投資成果がわかりやすいというメリットがあります。

また取引時間は、日経225先物などと同じように朝8時45分〜15時15分(日中立会)、16時30分〜翌5時30分(夜間立会) となっているので、ニューヨーク証券取引所が開いている時間帯でも取引することが可能です。

投資信託やETFでもダウ平均株価の取引が可能

ダウ平均株価をリアルタイムで取引できる先物取引は便利です。しかし、先物口座を開かなければならないので、ハードルが高いかもしれません。そういった人はダウ平均株価を対象にした投資信託ETF(上場投資信託)への投資がおすすめです。

投資信託のメリットは少額から取引できることです。ネット証券を利用すれば100円から購入できます。また、ダウ平均株価を対象にした ETFを利用すれば、日中の立会時間(9時~15時)の間であれば、リアルタイムで取引することも可能です。

ご参考までに、ダウ平均株価を取引できる投資信託とETFを4つご紹介します(価格は5月17日時点)。

・ダウ平均株価を取引できる投資信託

  • eMAXIS NYダウインデックス(三菱UFJ国際投信):基準価額27,712円
  • iFree NYダウ・インデックス(大和アセットマネジメント):基準価額21,712円

・ダウ平均株価を取引できるETF

  • NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信<1546>:取引価格36,850円
  • Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信<1679>:取引価格33,100円

もっとダウ平均株価を注視しよう

ダウ平均株価は世界で最も有名な株価指数で、日本市場にも大きな影響を与えています。

ダウ平均株価の構成銘柄だけでなく、先物取引や投資信託、ETFを利用して、ダウ平均株価のインデックス投資をすることもできます。実際に取引しなくても、多くのマーケットに影響を与える指数だということを頭に入れて、日常的にその動向をチェックしておいたほうがいいでしょう。

【おすすめ】なぜ明日上がる銘柄がわかるのか 元手30万円を数億円の利益に変えたプロの銘柄選び

あわせて読みたい
[執筆者]山下耕太郎
[やました・こうたろう]一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴20年以上。現在は、日経225先物・オプションを中心に、現物株・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。趣味は、ウィンドサーフィン。ツイッター@yanta2011 先物オプション奮闘日誌 株窓アワード2020大賞
当社は、本記事の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想及び判断は有価証券の購入、売却、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。提供する情報等は記事作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。当社は本記事の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本記事の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。
トヨタを買って大丈夫?
お知らせ
» ニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」に配信中。「経済」「マネー」ジャンルから株窓をチェック!
SmartNews(スマートニュース)
» 国際的ニュース週刊誌「Newsweek(ニューズウィーク)」日本版ウェブサイトに記事を提供しています。
ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト