それでもシニアが株式投資に取り組む理由 ゆとりある老後より望むものとは

株の学校ドットコム
2024年10月6日 13時00分

《オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」では、株式投資に取り組んでいる人々を対象として、さまざまなアンケート調査を実施しています。そこから見えてきた、個人投資家・トレーダーのホンネとは?》

株をやる人は年代とともに増える

株の学校ドットコムが全国の1万人を対象に実施したアンケート調査によると、株式投資に取り組んでいる人の割合は26.7%。そのうち割合が高いのは年代が上がってからで、60代と70代以上ではいずれも3割を超えています。

株式投資といえば、どちらかと言えば「老後に向けた資産形成」というイメージもある中で、なぜシニア世代のほうが株式投資に取り組んでいる割合が高いのでしょうか?

そこで、60代以上の個人投資家に、株式投資に取り組む理由や達成したい目標について聞きました。そこから見えてきたのは、切実な現状と、シニアならではの株の楽しみ方です。

シニアが株に取り組む3大理由

「あなたが株式投資に取り組んでいる理由は何ですか?」──こんな質問をシニア世代の個人投資家800人に投げかけてみたところ、最も多くの票を集めたのは「今の生活に使えるお金を増やすため」の44.8%でした。

次に多かったのは「人生100年時代を見すえた老後資金を準備するため」の37.1%で、わずかの差で「趣味や旅行など自分のやりたいことに使うお金を増やすため」の35.0%が続きました。

また、「頭の体操(脳トレ)、知的好奇心を維持するため」(16.9%)、「株式投資そのものが面白く楽しいため」(16.8%)のいずれかを選んだ人は全体の27%。利益以外の部分に楽しみを見いだして取り組んでいる人が4人に1人もいることは、シニア世代ならではと言えるでしょう。

株式投資で達成したい目標は「特にない」?

そんなシニアの個人投資家は、どんな目標を持って株式投資に取り組んでいるのでしょうか。

自由記述形式で回答してもらったところ、「特にない」という主旨の回答が最も多く116件(14.5%)ありました。具体的な目標を設定していない人も多いようで、これもまた、シニア世代ならではと言えるのかもしれません。

とはいえ、明確な目標を立てて取り組んでいる人も、もちろんいます。そんな声の一部をご紹介します。

【60代男性の達成したい目標】

  • 「現役時代と同じような収入を得る」(69歳・男性)
  • 「配当だけで生活できるようにする」(67歳・男性)
  • 「2000万円を貯めること」(65歳・男性)
  • 「年間100万位増やせたらいいと思います」(65歳・男性)
  • 「老後の安定した資金作りのために、最低5000万円はほしい」(68歳・男性)
  • 「年利率10%程度の運用利益を継続して得て生活の足しにしたい」(65歳・男性)
  • 「65才以降取り崩し、死ぬまで年金プラスでやって行けるよう、4000万円を年5%運用すること」(63歳・男性)
  • 「若い時は大きく勝負してましたが、今は毎日デイトレード少しでもプラスなら嬉しい」(69歳・男性)
  • 「セカンドハウスの購入」(63歳・男性)
  • 「ある程度利益を出し、趣味の鉄道模型のジオラマを作りたい」(65歳・男性)
  • 「自分の感覚を磨く」(62歳・男性)

【60代女性の達成したい目標】

  • 「投資資金が10パーセント増えれば利食いし、これを繰り返し、新聞一面に暴落記事が出たら全力買いをしたいと考えています」(69歳・女性)
  • 「キャピタルとインカム合わせて年間利益確定600万円以上を継続し続けたい」(64歳・女性)
  • 「今までの損失分を取り戻したい。あと5000万くらい。生きているうちには無理かも」(61歳・女性)
  • 「年間で税抜き手取りもうけで最低12万円以上を目標として、20万で良しとする。身の丈のおこづかい稼ぎ」(64歳・女性)
  • 「孫の大学資金を貯めたい」(68歳・女性)
  • 「子どもにある程度の資産を遺してあげたい」(60歳・女性)
  • 「長く持ち続けて、毎年株主優待券をもらう」(66歳・女性)
  • 「株主優待、配当を楽しみにしているので、損をしなければいい」(63歳・女性)
  • 「達成したい目標なんて考えた事はなかったが、夫婦でちょっと豪華なホテルに行けるくらい儲かったら良いなと思っています」(60歳・女性)
  • 「手持ちのお金が少しでも増やせて旅行資金や美味しいモノを家族で食べたい」(67歳・女性)
  • 「老後の老人ホームへの入居金及び生活費を賄う」(62歳・女性)
  • 「年に一度、家族で旅行」(62歳・女性)
  • 「老後子供に世話にならないで自分の手持ちで生活したい」(66歳・女性)

【70代男性の達成したい目標】

  • 「退職までに流動性資産を5000万円確保する」(71歳・男性)
  • 「1000万残高達成して豪華クルーズ船旅行をしたい」(72歳・男性)
  • 「充実したセカンドライフを送れるような資金額1500万円を増やしたい」(76歳・男性)
  • 「投資金額を下回らない。マイナスになった場合はそのまま長期保有し、利益が出ればそのまま再投資する。車の購入やリフォームで必要な金額が目標」(74歳・男性)
  • 「新しい家やマンションを購入する資金の一部としたい」(72歳・男性)
  • 「収益をあげて借金を減らしたい」(79歳・男性)
  • 「孫に500万円あげたい」(78歳・男性)
  • 「インフレが毎年進んで行く為の資産の目減りをなくすため」(71歳・男性)
  • 「配当金で生活」(75歳・男性)
  • 「ハラハラドキドキの人生」(70歳・男性)

【70代女性の達成したい目標】

  • 「老後資金の確保4000万円」(74歳・女性)
  • 「高配当銘柄を購入し、年間配当120万円を目指している」(70歳・女性)
  • 「とにかく、高い時に買っていることと倒産してしまった企業などがあり、投資した金額を改修することが、今の目標」(70歳・女性)
  • 「毎月小遣い程度稼ぎたい。株主優待が楽しみ」(70歳・女性)
  • 「80歳時点での必要なお金を確保した上で、残りは配当金で2人の息子の生活資金と5人の孫の学費援助に充てる」(76歳・女性)
  • 「普通に預金するより少しでも利益が多ければ、それで良い」(73歳・女性)
  • 「孫への学資準備」(73歳・女性)
  • 「家計以外から旅行や娯楽費用を捻出したい」(73歳・女性)
  • 「大きな病気や怪我で入院した場合に年金以外の資金でまかなうことが目標としている」(70歳・女性)
  • 「将来的に自立型高齢者施設の入居資金の一助にしたい」(76歳・女性)
  • 「老後の生活や介護及び葬式などの費用を確保すること」(77歳・女性)
  • 「子供に負担をかけないように自由に使えるお金を稼ぎたい」(74歳・女性)
  • 「海外旅行で一度で良いからビジネスに乗りたい 投資で利益がでたら旅行に行こうと話してます 主人とです。 なんかまだまだ夢は遠退きそうです」(71歳・女性)
  • 「経済に関心を持つことが認知症予防に良いと考えている」(74歳・女性)
  • 「トレーダーとして成功したいた」(71歳・女性)

なるべく早く、自分に合った投資を

シニア世代が株式投資に取り組む主な理由は、「今の生活のため」「老後のため」「やりたいことのため」の3つでした。「生活のため」と「やりたいことのため」のいずれかを選んだ人は全体の62.8%にのぼり、いくつになっても、より豊かな生活を送りたいという思いが強いことがわかります。

その一方で、全体の3分の1以上の人が「老後のため」を選択しており、人生100年時代に対する不安も高いことがうかがえます。実際、100歳まで生きる可能性を考えれば、60代・70代であっても人生はまだ20~40年も残っています。

株式投資では多くの場合、経験年数の長さが有利に働きます。特に、長期にわたる資産形成においては、できるだけ早く取り組むほうがよいと言えます。それとともに、数多く取引手法の中から自分に最も合ったものを選ぶことが、望む資産形成を成功させるうえで大切なポイントです。

株の学校ドットコムでは、ひとりでも多くの人が株式投資の扉を開くとともに、⼀⼈ひとりの⼈⽣設計に適した投資に取り組むことで必要な資産形成を行えるよう、これからも株の本質についての教育と情報発信を続けて参ります。

(参考記事)シニア世代の株式投資を実態調査 株歴10年以上の4割が株資産1000万円超え
(参考記事)シニア世代が株式投資に取り組む3大理由 「生活のため」「老後資金」あとひとつは?

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