4月の株価はどうなる? 上がる日・下がる日から見えてくる傾向と注意点
株は「いつ」買えばいいのか?
株式投資をやっていて最も頭を使うのは「どの株を買えばいいのか?」ですが、一方で「いつ買えばいいの?」も難問ですよね。「業績が右肩上がりだから、いつ買っても上がるだろう」な~んてわけないことは、少しでも株をやったことのある人ならわかるはず。
そんなときに参考になるかもしれないのが、1年366日の日経平均株価の「騰落率」です。
これは、終戦後に東京証券取引所が再開された1949年5月16日から現在までの、毎日の日経平均株価の日付別の上昇確率を計算したもの。平たく言えば、「この日付の日経平均株価は前日より上がったか下がったか」を1949年から累計したデータです。
それぞれの日付において、株価が前日より上がった場合を「勝ち」、前日より下がった場合を「負け」として、その勝率(上昇する確率)が算出されています。
(参考)日経平均プロフィル > アーカイブ > 騰落率カレンダー
積みあげられた長年のデータから、4月のベストな買い時・売り時を探してみましょう。
これが4月の最も上がる日・下がる日だ!
それでは、4月の30日分の騰落率を2021年4月のカレンダーに当てはめてみます(「日経平均プロフィル」のデータをもとに作成/2021年3月現在)。
全体的な流れを見てみると、3月期末を超えた上旬は40%台の騰落率(つまり、負けのほうが多い)が続いていて、10日ぐらいから上げてきて、ゴールデンウィークの連休に向かう月末はほぼ50%以上(つまり、勝ちのほうが多い)という傾向があるようです。
なお、騰落率が記録されていない「4月29日」は、天皇誕生日〜みどりの日〜昭和の日と、戦後ずっと祝日だったため、一度も取引されたことがありません。
これを踏まえつつ、過去3年の4月の日経平均株価の推移を振り返ってみましょう。
2019年は月末に大きく下げていますが、月としては右肩上がり感が見て取れます。
ただ、月全体の騰落率を見てみると、30日中20日が50%台ということで、概ねトントンな1か月ということのようです。見方を変えれば、勝ちまくることはないけれど、負けまくることもない月ということで、新年度らしく、新しいことに挑戦するにはいい月なのかもしれません。
最も上がる日・最も下がる日は、どんな日?
4月の「最も上がる日(前日に買っておけばウハウハ?)」と「最も下がる日(前日に売っておけばウハウハ?)」について、もう少し詳しく見てみましょう。
【トップ】4月18日(35勝20負0分)
まず、4月で最も上がりやすい日は18日です。上がる確率は63.64%で、勝ち負けは35勝20負0分。10回買えば6.3回は「当たり!」ということですが、他の月では70%や80%を超える騰落率を記録している日もあることを考えると、「もう一声!」と言いたくなりますね。
というか、そもそも2021年4月18日は日曜日で株式市場はお休み。あんまり追求しても仕方ないのですが、一応こんな日だそうです。
【この日、何の日?】
- よい歯の日……「4・1・8」で「よ・い・歯」
- 世界アマチュア無線の日……1925年4月18日に、国際アマチュア無線連合の結成総会が開催された
【最下位】4月20日(24勝31負0分)
反対に、最も下がりやすいのは4月20日。上がる確率は43.64%(24勝31負0分)。言い換えれば、下がる確率が56.36%ということですが、「それって、ほぼ5割だよね」とも言いたくなります。
ただ、月初から少しずつ相場が調子を取り戻してきて、2日前の18日もしっかり上がったのを見て、「よっしゃよっしゃ」と19日に参戦すると、20日で痛い目に遭う……ということなのかもしれません。わずか2日で、騰落率に20ポイントもの差があることは覚えておきたいものです。
【この日、何の日?】
- 二十四節気の「穀雨」になることもある日(二十四節気は太陽の位置で決定されるので、必ずしも日付は固定されていません)
- 女子大の日……1901年のこの日、日本女子大学校(現在の日本女子大学)が開校
日本の4月は世界からも注目されている?
騰落率で見るとパッとしない4月ですが、株式市場の時期的なことを考えると、実は「アツい月」なんです。
まず国内に目を向けると、機関投資家の運用開始月のため新規マネーが流入しやすい時期です。あわせて、海外ファンド勢も「4月の日本株」にはアツい目線を向けています。なぜか。それは「4月はじまり」って日本特有だからです。
日本の場合、そもそも学校がこのサイクルなので、幼い頃からなじんだ4月スタート〜3月終わりのサイクルに違和感を覚える日本人はほぼいないはず。お役所も同じサイクルですし、上場企業でも3月決算がダントツで多いです。
しかし、これはグローバルスタンダードではありません。アメリカやイギリスは12月決算(1月スタート12月終わり)の企業が多く、中国では民間企業は12月決算と定められているそうです。世界で見たら、むしろ12月決算のほうがスタンダードなんですね。
こういったグローバルと日本の「ずれ」が生じるのが4月です。これは気分的なものだけでなく、3月決算企業の決算発表が4月半ばあたりから本格的に始まることや、上にも書いた新規マネーの流入は、日本の4月相場に特有の現象なので、他よりも注目されやすいと言えるかもしれません。
〈参考記事〉4月の株価はどうなる? 12年に一度の大イベントで急騰する銘柄とは
〈参考記事〉4月・5月の相場はどうなる? 新年度相場でトレーダーが意識すること
4月相場の傾向を知って、よいスタートを!
4月は光が春めき、桜が咲き、何か新しいことを始めてみたくなる……というのは日本的感覚。南半球では秋ですし、世界の大半の国では「1年が始まって4度目の月」に過ぎません。日本で言うと7月。もはや新年度らしいフレッシュ感なんて微塵もありませんよね。
忘れてはならないのが、日本の株式市場に参加しているのは決して日本人だけではないということ。日本の習慣や風土の影響を受けることも当然ありますが、株式市場とはそもそもグローバルな戦いの場。生き延びるには、世界を俯瞰する目も必要になってきます。
4月の騰落率は、数字だけを見るとさほど心が躍るような日はなかったのですが、理由はともかく「上がりやすい日」「下がりやすい日」を知っておくことは、なんらかのヒントになるかもしれません。