株でイキナリ大損しないために絶対知っておくべき5つのポイント

かぶまど編集部
2019年3月8日 11時00分

株式投資は知らないことだらけの世界です。用語も作法もはじめてのことだらけ。しかも大切に貯めてきた「お金」を投じるとなると、慎重にならざるを得ませんよね。そこで、多くの人が共通して「つまずく」ポイントを、ステップにあわせてご紹介します。事前にわかっていれば、みなさんも投資初心者としての第一歩を、きっとスムーズに踏み出せるでしょう。

だれもがつまずく「5つのポイント」

これから株式投資を始めようという人が、まずぶつかるのが、この5つのポイントです。

  • 何を準備したらいいの?
  • どこの証券会社がいいの?
  • いくらからスタートすればいいの?
  • いよいよ売買開始! で、何を買えばいいの?
  • いつ売ればいいの?

それぞれ順に見ていきましょう。

ポイント①「何を準備したらいいの?」

株式投資をはじめようと心に決めたあなたの最初のつまずきは、これですよね。一体、何が必要なのか……ずばり、お答えしましょう。

株式投資をするためには「証券口座」が必要です。そうです、みなさんがすでにお持ちの「銀行口座」では、証券(株式など)は購入できないのです。

したがって、なにはともあれ、証券会社に「証券口座を開設する」必要があります。

ポイント②「どこの証券会社がいいの?」

証券会社で口座を開設する必要がある、とわかったあなたが次にすぐにつまずくのが、こちら。数ある証券会社の中から、自分の証券口座を開設するところを自分で選ばなくてはなりません。

銀行口座の場合は、「勤務先の給与口座が○○○銀行だから、その銀行がメインバンクです」という方も多いと思います。でも、証券口座はそういうわけにはいきません。

証券会社には、大きく分けて2つの種類があります。「総合証券(対面)」と「ネット証券」です。

野村證券や大和証券など、テレビCMや雑誌広告でおなじみの老舗証券会社は「総合証券」。SBI証券や楽天証券、GMOクリック証券など、インターネット上で見かける比較的に新しい証券会社は「ネット証券」に該当します。

両者の大きな違いは、「株式投資における手数料」です。

営業がいない生命保険会社として大人気となった「ライフネット生命」をご存じでしょうか? この会社は、インターネットを使って生命保険を募集するため、営業コストを削ることができました。その分、保険料を安くして販売するというモデルで成功しているのです。

ネット証券も同様に、営業人員をなくすことによってコストを圧縮し、その分、「取引手数料」を圧倒的に安くすることを実現しています(歴史的には、ネット証券のほうが生命保険のネット販売開始より早い)。

具体的に、100万円分の証券を買った場合の手数料を比較してみましょう。

  • 総合証券:12,000円(3,000円+取引金額の0.9%前後)
  • ネット証券:525円
    ※各社によって異なるため、平均的な数値を算出(2016年4月時点)

いかがでしょうか? 実に20倍以上もの差があります。

総合証券の手数料には、店舗があって窓口で対面相談ができるなど、付加的なサービスがついているのはたしかです。そのため単純に比較することはできませんが、みなさんが取引する「株」は、どの証券会社から買っても同じ「株」です。

この手数料の差額分の価値が、取引毎に得られると感じる方は「総合証券」へ、感じない方は「ネット証券」の口座開設をすればよいでしょう。

「ネット証券の中で迷っている」という方なら、最大手のSBI証券、楽天グループの楽天証券あたりが、個人投資家から高い人気を集めています。システムトラブルなどを想定し、複数の証券会社に口座を開設しておくと安心です。

ポイント③「いくらからスタートすればいいの?」

無事に証券口座を開設できたあなたは、もう少しで投資家としての第一歩が見えてきます。次はやはり「お金の問題」ですね。「みんな、一体いくらから始めるものなのか?」、とても気になりますよね。

結論から申し上げると、あまり周りのことを気にしすぎると、投資家として判断を誤ることがあります。それは、環境や状況がみな異なるからです。あなた自身が、手元の「投資資金」を、「どのくらいの期間」をかけて、「いくらにしたいのか?」が重要なのです(これについては、別の記事でくわしく解説します)。

つまり、答えは「いくらから始めてもいい」です。

株式投資では「単元株」といって、取引できる最低株数が決まっています。たとえばトヨタ自動車を購入したい場合、単元株数は100株単位のため、仮に株価が6,000円とすると、6,000×100=60万円が投資資金として必要になるのです(証券会社によっては「ミニ株」や「プチ株」といった単元株数未満で購入できる仕組みも用意されていますが、原則は単元株数単位での取引です)。

そういったことも踏まえて、自分の目標に合わせた「投資資金」を決めましょう。

とはいえ、「何か目安を」という方にお伝えするならば、投資初心者の方は最初から全力投球するのではなく、練習が必要です。そのために、まず100万円を入金し、最小購入単位が安い銘柄や日経平均連動型ETFなどで実際に売買をしてみる、というのが良いのではないかと思います。

具体的な売買方法は、次のつまずきポイントでご紹介しましょう。

ポイント④「いよいよ売買開始! で、何を買えばいいの?」

証券口座への入金が済んだら、いよいよ取引開始です。しかし、ここでつまずく方が非常に多いのではないかと思います。なぜなら、日本の証券取引所に上場している取引可能な銘柄は約4,000もあるからです。

FX(外国為替証拠金取引)の場合は、非常にシンプルです。多くの個人投資家の最初の取引は「ドル円」と決まっているのです。自国通貨である「円」と、世界最大の覇権国・アメリカの「ドル」との組み合わせ。テレビなどでも「今日のドル円は……」というニュースをよく耳にしますよね。つまり、馴染みがあるということです。

では、株式投資の世界ではどうでしょうか? みなさん、馴染みがある銘柄はありますか?

たとえば、自動車業界に勤めている、もしくは以前勤めていた方などは、同じ業界の銘柄についての知識が豊富だと思います。少なくとも他の業種・業界よりも、自分が関係している(いた)身近な業種のほうが馴染みがありますね。

ただし、ここに落とし穴があります。それは、これまでの視点(消費者であったり、生産者であったり)のまま投資判断を行ってしまう、ということです。みなさんも、投資する銘柄を探している際に、次のようなことを考えたことはありませんか?

  • この会社の今年の新車はカッコイイな(だから、株価が上がるかも)
  • あの会社の社員は優秀で商品も高品質、とてもいい会社だ(だから、株価が上がるだろう)
  • 世界の○○○自動車なら潰れることはないだろう(だから、間違いない投資先だろう)

このような理由で株式投資の第一歩を踏み出す方が、実はとても多いです。しかし、株式投資で利益を得るためには「投資家の視点」が必要です。「優良な企業≠投資で利益が出る企業」をしっかりと理解する必要があります(詳しく知りたい方は、こちらから無料のレポートをご覧いただけます。しっかり読んで、しっかり理解してください)。

では、何から始めたらいいのか?

その答えは、「実戦ではなく、まずは練習からスタートすべき」です。そのために最適で、なおかつ、ほとんどの方に馴染みがある銘柄といえば「日経平均」ではないかと思います。

日経平均とは、日本の株式市場に上場する銘柄の中で代表的な225銘柄をまとめた「株価指数」です。トヨタ自動車やソフトバンクグループなどが含まれていて、これらの株価上昇や下落の平均で日経平均株価も変動します(単純平均のため、225銘柄の株価を足して225で割った数値〔みなし額面で計算〕。詳細はこちら→日経平均株価算出要領)。

この日経平均を、ETF(上場投資信託)で購入することができます。その名の通り、株式市場に上場され、株式と同じように売買できる投資信託で、日経平均株価と連動するように設計された商品です。代表的な銘柄をいくつかピックアップしてみましょう。

  • 日経225連動型上場投資信託
  • ダイワ 上場投信-日経225
  • iシェアーズ日経225ETF

日経平均と連動する点では同じため、基本的には、どのETFを選んでも構いません。ただ、ひとつの判断基準としては、「出来高」が高い銘柄を選択すべきと考えます(信託報酬が安いほうがよいのですが、ETFの場合、そこまでの差はないので、気にしなくてもいいでしょう。気になる方はヤフーファイナンスなどで確認してください)。

さあ、売買する銘柄が決まれば、あとは「注文方法」と「取引株数」を決定して、クリックするだけです。いろいろな投資手法や分析方法がありますが、まずはやってみることが重要です。最小単位で実際に売買してみることから、あなたの投資家としての第一歩をスタートさせてみてください。

ポイント⑤「いつ売ればいいの?」

証券口座の開設から入金、銘柄選択、個別株の購入まで進んできました。あとは「売る(決済)」ことをすれば、株式投資のひととおりの流れを実行できたことになります。

ここまでのポイントで挫折してしまう方も一定の割合でいらっしゃるので、この記事を読んでいるみなさんは、あと一歩がんばってください。

さて、株価がいくらになったら売り(決済)の判断をすればいいのでしょうか? それをご説明する前に、まずは「売り(決済)」の理由を考えてみましょう。それは2つあります。

  • 利益が出たから売る
  • 損失が出たから売る

当然ですね。上がると思って買った銘柄が予想どおり上がれば利益に、下がれば損失になります。だから、売って利益(損失)を確定するのです。

ここで、人間心理の話をしましょう。人は、少しでも利益が出ていると、我慢できずに確定したくなります。反対に損をしはじめると、その損を確定したくないがために、株価が戻るまで我慢しようとします。その結果、損失の幅はさらに広がり、いわゆる「塩漬け株」になります。損失額を見たくないから、ほったらかし状態にするのです。

これは、人間の心理なのです。これから投資を始めて、たくさんの取引をするようになると、みなさんにもこの気持ちがよくわかることでしょう。

じゃあ、「これでいいのか?」と聞かれれば、答えはノーです。このようなことを繰り返していては、株式投資で利益を得ることは難しいです。では、どうしたらいいのか?

「いつ売ればいいのか?」の答えは、「いつ売るかを決めてから取引する」なのです。

たとえば、先ほどの日経225連動型上場投資信託を、株価が20,000円のときに1株買ったとします。その際、次のことを考えてから買います。

  • 「21,000円になったら、利益確定(売り注文)しよう」
  • 「19,500円になったら、損失確定(売り注文)しよう」

こうすることで、株価が上がったときには確実に利益を手にし、残念ながら下がった場合でも、大きな損失を免れることができます。「指値」「逆指値」という注文方法で売り(決済)注文をしておくの良い方法です。

落とし穴にもご用心

5つのポイントの答えをまとめると、以下のようになります。

①何を準備したらいいの?

まずは証券会社に証券口座を作りましょう。

②どこの証券会社がいいの?

総合証券とネット証券がありますが、手数料などを考えて複数のネット証券で口座開設する個人投資家が増えています。

③いくらからスタートすればいいの?

ご自身の資産状況と目的によって異なりますが、初心者の方は少額の入金から始めてみてはいかがでしょうか。

④いよいよ売買開始! で、何を買えばいいの?

消費者目線ではなく、投資家目線で投資対象を見ましょう。そして最初は、日経平均株価に連動するETFなどが練習としていいかもしれません。

⑤いつ売ればいいの?

買うときに売る目標を立てましょう。ストーリーなしに投資をしてはいけません。しっかりとシナリオを考えて、「買うタイミング」「売るタイミング」を図りましょう。

今回は、投資初心者の方がつまずきやすいポイントに絞ってご紹介しました。これらを事前に理解しておけば、多くの人が陥りやすい落とし穴も上手に交わせるかもしません。また、投資初心者の方々のための「誤解しがちなポイントを8つにまとめたレポート」も無料でご紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。

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[執筆者]かぶまど編集部
かぶまど編集部
無防備なまま株式市場に参加して大切なお金をなくしてしまう人をひとりでも減らしたい──そんな思いから、未来の株価や相場を予測するのではなく、過去の事例やデータといった「普遍的な事実」に焦点を当てた記事を発信します。同時に、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。
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