2月の株価はどうなる? 上がる日・下がる日の傾向と「ニッパチ」の信憑性やいかに?
「騰落率」に見る上がる日・下がる日
はじまりました2022年。アメリカのインフレは過熱し、来月にはもう北京で冬のオリンピックです。オミクロン株でコロナは終止符……という声もあるらしいですが、こればかりは誰にもわかりません。未来は誰にわからない以上、過去から学んで備えていきたいところですね。
株を「いつ」購入すればいいのかという問題は、実は、「どれ」を買うか(銘柄)よりも悩ましい問題です。特に、2月と8月はお店がいまいち振るわない時期であり「ニッパチ」などとも言われますが、実際のところはどうなのでしょう?
悩ましいタイミングを見極めるひとつの参考になる(かもしれない)のが、一年366日の日経平均株価の「騰落率」です。
「騰落率」とは、戦後に東京証券取引所が再開された1949年5月16日から現在までの、毎日の日経平均株価の日付別の上昇確率を計算したもので、平たく言えば、「この日付の日経平均株価は前日より上がったか、下がったか」を1949年から累計したデータです。
それぞれの日付において、株価が前日より上がった場合を「勝ち」、前日より下がった場合を「負け」として、その勝率(上昇する確率)が算出されています。
《参考記事》その株、いつ買えばいいの? 一年で最も上がる日・下がる日からわかったこと
この騰落率が、先の見えない未来を読み解くヒントのひとつになるかもしれません。
これが2月の最も上がる日・下がる日
日経平均株価の騰落率は、日経平均株価の様々なデータを紹介するサイト「日経平均プロフィル」で確認することができます。
これによると、2月の29日のうちで騰落率が最も高いのは「11日」の80.00%……なのですが、この日は現在「建国記念の日」で祝日です(データが少ないために80%という驚異的数値になっているのでしょう)。
ですので、今回は次点である「25日」を騰落率トップとして取り上げます。この日も騰落率73.68%とかなりのもの。そして、最も騰落率が低いのは「21日」の42.59%です(データは2022年1月現在)。
まずは、日別の騰落率を2022年2月のカレンダーに当てはめてみましょう。
なお、4年に一度しかない「29日」は、8勝6負0分で騰落率57.14%となっています。
1月ほどではないものの、まずまず好調?
4月から毎月、この騰落率について調べてきました。多くの月で「5日以上の上昇(騰落率50%以上)」というトレンドがあり(7月・10月以外)、さらに1月においては「5日間連続で騰落率50%以上」が3回もあるお年玉相場な月でした。
そんな1月ほどではないですが、2月も22日~29日まで8日連続で騰落率50%以上をキープしています。そしてこれは月末ですので、大体の月で続いている「月の最後の5日は堅い」という傾向もクリアしています。
さらに2月においては、騰落率が30%台(=下がる確率が70〜80%)の「かなり売り優勢な警戒日」はありません。これまでは、4月が0日、5月が3日、6月が1日、7月が3日(現時点で最多)、8月は1日、9月は2日、10月は0日、11月は1日、12月は0日、1月も0日でした。
ここから2月相場を騰落率から鑑みると、1月ほどじゃないけれど、まずまず好調とは言えそうです。
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過去3年の2月の日経平均株価の推移
騰落率上ではまずまず好調な2月相場。日経平均株価のチャートで見るとどうなのでしょうか。過去3年の2月の日経平均株価の推移を振り返ってみましょう。
おおむね右肩上がりも、最後でガックン……
この月に「ダイヤモンドプリンセス号」が横浜に入港。これがなくてもコロナは止められなかったでしょうが、不安からか下旬にかけて見事に下落していきます。
ザ・右肩上がり。このころ、東京2020オリンピックがほぼ観客を入れずに開催することになるなど誰が思っていたでしょう。
2020年の2月は、日本におけるコロナ騒動のまさに勃発のタイミングで、ほぼ「コロナが要因で株価が下がった」と言っていいのでは、という状況です。
一方それを挟んで、東京2020特需の夢を見ていた2019年2月と、本当にオリンピック開催すんのかよ?で世論が揺れていた2021年2月は、ともにチャートは「おおむね右肩上がり」で似た形をしています。そうした騒動やムードと株価は案外関係ないのかなあ、という気もしてきます。
いずれにせよ、これも4月からの傾向ですが、騰落率からイメージする形と実際のチャートは、一致することのほうが少ないです。さまざまな角度からデータを検証していくことが大切ですね。
2月の最も上がる日・最も下がる日は、どんな日?
月の「最も上がる日(前日に買っておけばウハウハ?)」と「最も下がる日(前日に売っておけばウハウハ?)」について、もう少し詳しく見てみましょう。
【トップ】2月25日(42勝15負0分)
2月で(現在は祝日である「11日」の次に)上がる確率が高いのは「25日」で、騰落率は73.68%とかなりのもの。「3分の2の確率で上がる」(66.7%)を大きく超えて、1949年以降の勝ち負けは42勝15負0分です。2022年の2月25日は金曜日。
[この日、何の日?]
- 225の日……「225」という数字には当然ピンと来ますよね。東証1部上場銘柄のうち代表的な225銘柄の株価から算出される「日経平均株価」。個人投資家向けに情報提供を行っている株式会社ゲイターズが、この日を225の日と制定しているそうです。
【最下位】2月21日(23勝31負0分)
2月で最も上がる確率が低い(=下がる確率が高い)のは「21日」の騰落率42.59%です。つまり、約57%の確率で下がるということになり、「やや下がりやすいかな?」という感じ。戦後に取引のあった計54日分の勝敗は23勝31負0分。2022年の2月23日は月曜日です。
[この日、何の日?]
- 日刊新聞創刊の日……現存する中では日本初の日刊新聞「東京日日新聞」(現在の毎日新聞)が創刊されたのが、1872(明治5)年のこの日だそうです。
案外あるぞ、2月決算企業
騰落率という観点から2月相場を見てきましたが、それ以外の2月相場の特徴も見ておきましょう。
まず、2月は決算ラッシュです。株主優待で個人投資家に人気の小売・サービス・外食などの業種では、案外2月期決算の企業が多いのです。
その顔触れは、イオン<8267>、ビックカメラ<3048>、クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>(「しゃぶ菜」などを展開)、吉野屋ホールディングス<9861>など。ほかに、ご当地スーパーも多く見られます。
これらの企業はすべて株主優待も行っていますので、2月は株主優待狙いの層がこれらの銘柄を中心に流入してくるので注意が必要でしょう。
8月と並んで相場が閑散とすることで知られる2月ですが、騰落率のデータで見ると、そこそこ好調であることがわかります。恋の季節に盛り上がれるかどうかは自分次第……ということなのかもしれません。