こんな証券会社の選び方をしてはいけない! 素人トレーダーの自戒と反省
プロが絶対に教えてくれないこと
株を始めるにあたってどこの証券会社を使ったらいいかは、初心者が真っ先にぶつかる問題。でも、「かぶまど」執筆陣であるベテラン投資家・トレーダーによる「おすすめ証券会社」の記事を読めば、すぐにでも自分にとって最適な証券会社を見つけられるはず。
だったら、「永遠の素人トレーダー」である私なんかが証券会社について書くことに何の意味があるのか?と思うかもしれませんが、実は大アリなんですね。私は素人ですから、ベテラン勢やプロなら絶対にしないような失敗をするんですよ。
その反省を踏まえて、「こんな証券会社の選び方・使い方をしてはいけない」という2つのポイントをご紹介いたします。
キャンペーンにつられて口座を作ってはいけない
証券会社も営利企業ですから、取引口座を作ってくれたらキャッシュバックつけちゃう!とか、あの有名トレーダーの門外不出の情報商材をつけちゃう!とか、いろいろなキャンペーンをやっていますよね。ただ、素人がやってはいけないのが、こういったキャンペーンにつられてゴロゴロと口座を作っちゃうことなんです。
私がそうだったから、心の底から言えます。というか、正しくは「そうだった」じゃなくて、その中に塩漬けされた株が多数放置されている現役の証券口座が「複数」あります。素人の見本みたいなことをやらかしているわけです。
素人が口座を作り、そこに塩漬け資産をこしらえるまでの過程を見てみましょう。
①キャンペーンにつられて、身の程の管理能力を超える口座を作る
↓
②入金し、取引をする(そうしないとキャンペーンの特典をもらえないから)
↓
③身の丈を超える口座を作ったため管理しきれず、特にパソコン上の使い勝手がよくない口座から徐々に見なくなっていく
↓
④気が付けば損をしている
↓
⑤そして塩漬けへ……(損しているから解約もできない)
塩漬けになると見たくなくなりますから、当然のように見なくなり、ユーザーIDやパスワードを忘れるというおまけもついてきます。読者の皆さんには私のようになってほしくないんですね。私の屍を超えていってほしい。
さらに、証券口座をいくつも作ると、「作っただけでカラになってる」「金だけ入っていて売買していない」「塩漬けになっている」が渾然一体となり、数年後にはワケわかんなくなるんです。実は解約していた証券会社に問い合わせして「もう解約されてますね」「あらー」とか不毛なやりとりをしたものです。
そんな私が言えるのは「身の丈に合わない数の証券口座をもってはいけない」ということ。
「いろいろ試して相性を選びたいしィ」なんてことを言っていると、私のように「どの口座にどれがあったっけ?地獄」に堕ちますよ。一日に何百回もの取引するようなトレーダーならともかく、数回の取引をする程度なら、ひとまず大手を選んでおけば手数料も大きな差にはならないはずです。
口座を作るのはタダなんだからいいじゃない、なんて思ってはいけません。「どの口座に〜?地獄」にハマったときは、ものすごく不安でしたし、とにかく面倒くさかった。タダより高いものはないのです。マメな性格でないなら、証券口座は2つもあれば十分、なんなら1つでもいいんじゃないか、が素人の結論です。
なお、ファイナンシャル・プランナーでありながら個人投資家として20年以上の実績をおもちの岡田禎子さんは、私とは真逆の「口座使い分け」派。
《参考記事》投資家が愛用する証券会社 使い分けのコツと、手数料より重視すること
これを読んで、「なんだ、やっぱり使い分けたほうがいいじゃないか」と思うか、はたまた「残念ながら自分は素人の網代に近い……となると、まずは欲張らずに1つの口座にしとくか」と考えるかは、あなた次第。
正直に言ってこれは、投資・トレードにどれだけの時間を割けるか、また、そもそもの性格もとても大きく関係するのではないかと思います。何につけてもマメで、きっちしていないとむしろ落ち着かない!という、ズボラで面倒くさがりの私が爪の垢をいただきたいような方なら、複数口座もありでしょう。
スマホ対応はサイコ〜じゃない、破滅への入り口だ!
証券口座に関して、素人の私からもう一点だけお伝えしたいことがあります。
昨今スマホアプリに対応した証券会社も多いですよね。会社のパソコンで証券会社のサイトを開くわけにはいかないし……と思っていた方も、トイレでスマホを取り出せばいつだってトレーダーに。値上がり・値下がりのアラートも出してくれるから、売買のタイミングを逃す心配もなく、アプリ超サイコ~!
……なんて思っていませんか? 私もかつては思っていましたが、今はまったく思っていません。なぜか。それは、つい見すぎるんですよ。手軽すぎて。
私が株アプリの“ジャンキー”だったときは、駅の階段を降りているときすら見ていました。人にぶつかっていたらどうするつもりだったのか。バチが当たればいいのに……とも思いますが、そう、当たったんですね、バチが。
スマホアプリを見ていたころは、見ていた時間のわりに、トレードではまったくいい思いをしていませんでした。ちょっと下がったら怖くて売ってしまう、という、もともとやりがちな「耳かきで集めてブルドーザーで持って行かれる」が、アプリのおかげで磨きがかかったような状況でした。
大体、いつも状況を見ていれば最適なときに売買できる、なんてわけないんですよね。もしそうだったら、証券会社のスマホアプリでトレードしている人は全員大笑いなはずですが、そうじゃないのが何よりの証拠です。
素人なりに思うのは、「いかに情報を見すぎないか」が結構キモなのではないか、ということ。というわけで、ついつい見たくなる証券会社のスマホアプリは、私には合いませんでした。今使っている証券会社はスマホアプリに対応していますが、見たくないのでインストールしていません。
「とりあえず楽天!」でよいのでは?
ということで、やってはいけない証券会社との付き合い方についてまとめます。
- 取引口座をあれこれ作ると、数年後よくわからなくなる
- よほどストイックでない限り、証券会社のスマホアプリはネット依存と資産損失になる可能性が高い
言うまでもなく、いつまで経っても素人の域から脱せる見込みのない私が、自分の失敗と反省のもとにまとめたポイントに過ぎないので、「スマホでトレードするようになって絶好調なんだけど?」という方は、どうぞ忘れてください。
しかも、散々あちこちの証券口座を作ったわりに、どの証券会社がおすすめか、なんて難しいことは私にはわかりません。でも、ご安心を。先述の岡田さんも、実績あるトレーダーである山下耕太郎さんも、ともに「楽天証券推し!」らしいですよ(詳しい理由はそれぞれの記事をご覧ください)。
《参考記事》プロが愛用する証券会社 トレーダーに大事なのは手数料とツールと…
実は、偶然にも私も楽天証券ユーザーなのですが、私の場合、楽天証券に惹かれているというよりも、単に楽天推しだからなんです。球団でなく、お買い物パンダ、ショッピングのほうです。
私は、アマゾンで買い物をするのは「よっぽど」のときだけという生粋の楽天原理主義者で、楽天ポイントを集めることを至上命題としており、家具・家電などの「ちょっといいお買い物」はほぼ楽天、公共料金の引き落としも楽天カードからと、一切の隙がないんですね(トレードもこうありたいものです)。
楽天から「あんたの累計買物額は全ユーザーの中でもトップクラスだぜ」と言わしめた、ヘビー楽天ユーザー。携帯電話も楽天モバイルです。
当然、何か恩恵があるのでは?と期待して楽天証券に取引口座を持っているわけですが、残念ながら、口座保有者だからといって楽天ポイントは簡単には増えません。毎月ポイントで投資信託を買う必要ありと諸条件があり、原理主義者の私ですら面倒でやっていません。
でも、ポイントなどのおまけがなくても、かぶまどが誇る個人投資家・トレーダーのおふたりがおすすめしているので、初心者の方はとりあえず楽天でよいのではないかと思います。それが素人トレーダーの結論です。