2019年こそ勝ち残るために、これだけは読んでおきたい

岡田禎子
2018年12月21日 8時00分

「勝因はない。あるのは敗因だけだ」──これは、将棋や麻雀などでよく使われる言葉です。株の場合、やはり大失敗したことによる「退場」が多いのではないでしょうか。そうならないための近道は、「他人の敗因」を知ること。悲喜こもごもの向こう側に、勝てる投資家・トレーダーになるためのヒントが見えてきます。

※本記事は以下の記事をもとに再構成しています。

自信過剰で大失敗

家電量販店のラオックス<8202>で株デビューしたAさん。訪日外国人向けに事業展開していた同社の株価は目下上昇トレンド中で、Aさんは売買を繰り返し、多額の利益を得ていました。

「私って天才かも?」と購入する株数もどんどん増やして調子に乗っていた矢先、突然起こったチャイナショックで株価は急落。リスク・コントロールのすべを知らず、多額の含み損を抱えたAさんは、株価を見るのも嫌になってしまいました。

タイミングを逃して大失敗

Bさんは新薬への期待から、アキュセラ・インク<4589>(現在は上場廃止)を3,000円台で購入しました。思惑どおり株価は急上昇。そして迎えた、運命の2016年5月25日。「もっと上がれー!」と大興奮するBさんの目の前で、最高値となる7,700円をつけます。

ところが、その日の後場に株価は急落。その後、会社側から新薬の臨床試験結果が「治療効果なし」と公表され、6営業日連続のストップ安。株価は7分の1まで落ちました。泣く泣く1,000円台前半で手放したBさんですが、7,000円台に乗った時点で利益確定しておけば……と後悔の日々です。

ニュースに飛びつき大失敗

2015年6月、経済産業省が職員に和装出勤を促す「きものの日」の導入を検討している、というニュースが流れました。これを見たDさんは、「国策に沿った材料なら」とすかさずさが美<8201>を購入。残念ながら、株価は動意したものの続かず下落へ。Dさんの目論見は損切りで終了しました。

IPOだけを追いかけて大失敗

新規公開株式(IPO)は、上場直後に株価が大幅に上がり、初値で売るだけで利益を上げられる例も多くあります。「これは儲かる!」と思ったMさんは、片っ端から抽選に申し込み、見事、中小型液晶パネルのジャパンディスプレイ<6740>の抽選に当選しました。

しかしMさんの期待とは裏腹に、同社株は900円の公募価格(つまりMさんの購入価格)に対して、ついた初値は769円。実に14.6%も下回ってしまいました。

こんな大失敗も他人事ではない?

「100株」と「200株」でクロスできず、の巻

Rさんは株主優待をタダ取りできる「クロス取引」をしようと、ある銘柄で「信用売り」「現物買い」を同時に行いました(「クロス取引」についてはこの記事をご参照のこと)。

……はずが、100株を現物買いしたのに対して信用売りしたのは200株だったことが判明。慌てて100株を買い戻したものの、その間に株価が上昇し、結果的にRさんは損失を出すはめになってしまいました。

「指値」と「逆指値」に惑わされる、の巻

Sさんが保有していた某株はストップ高を続けていました。Sさんは暴落を恐れて、購入金額を下回ったら売却できるよう、指値で売り注文を出しておきました。

しかしSさんの心配をよそに、株価はさらに上昇。「さらに儲かって良かった」と喜んだSさんでしたが、注文状況を確認してみると、同社株がすでに「売却済み」となっているではありませんか。

そうです、売りの「指値」は「〇円以上なら売却」という注文。このときのSさんの場合、本来は「〇円以下で売却」という「逆指値」で発注すべきだったのです。

落とし穴は「売」と「買」の間に……の巻

株デビューしたばかりのTさん。トヨタ自動車<7203>を保有していましたが、含み益が出たので売却しようと思い、インターネットで発注しました。

ところが後日確認してみると、保有している株数が倍になっていました。まさかの「売」を「買」と間違えて発注ミスしていたのです。「こんな落とし穴があったとは……」と、いまだにショックを隠せないTさんなのでした。

[執筆者]岡田禎子
岡田禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。テレビ東京系列ドラマ「インベスターZ」の脚本協力も務める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
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