プレイバック平成! 激動の株式市場と、時代を彩ったあの銘柄たち

史上最高値から世界的な経済危機へ──まさに激動だった平成の株式市場。この30年の相場を、投資家・トレーダーはどう見つめ、どのようにして生き延びてきたのでしょうか。「株の窓口」の執筆陣が、それぞれの思い出とともに平成の時代を振り返ります

波乱に満ちた30年の株式市場

1989年1月から始まった「平成」の時代。この30年の間に、日本の株式相場ではどのようなことが起こり、市場はどう反応し、株価はどう動いたのでしょうか? また、どのような銘柄が投資家の注目を集めたのでしょうか?


(Chart by TradingView

バブル→崩壊→ITバブル→崩壊

平成元年末の大納会(12月29日)には、日経平均株価が38,915円87銭という史上最高値をマーク。しかし、これが日本の株式市場の歴史的な大天井となります。平成4年(1992)8月までに63%以上も下落したのです。

平成9年(1997)11月には山一證券が破綻。バブル崩壊後に悪化していた景気は、これら金融危機が重なったことで一段と沈み、日本経済はデフレに突入します。これが、日本を長期的に苦しめる「失われた20年」の始まりでした。

その後、ヤフー<4689>の株価は1株1億円を超えるなど、異常ともいえる高騰が起きます。光通信<9435>は、ピーク時には1株24万円の高値をつけましたが、売上の水増しが発覚。歴史的な20営業日連続ストップ安となります。こうして日本のITバブルは終焉を迎えました。

リーマンショック→アベノミクス相場

平成15年(2003)に底割れした日本経済は、平成19年(2007)には18,000円台まで回復。しかし翌年、リーマンショックが起きます。追い打ちをかけるように、平成23年(2011)には東日本大震災が起き、翌年にはギリシャ危機に始まるヨーロッパの信用不安などで、最悪の投資環境に陥ります。

平成24年(2012)12月に安倍政権が誕生すると、ドル円が1か月半で93円から103円にまで上昇するなど、加速度的に円安と株高がもたらされます。日経平均株価は約半年で15,000円台を回復し、その上昇率は8割に達しました。

平成27年(2015)にチャイナショックが起き、翌年にはブレグジットトランプショック。日経平均株価は再び上昇基調に入ったものの、平成30年(2018)になって失速、年末の大暴落をもたらします。

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株と平成と私 〜それぞれの30年〜

刺激に飢えた若者と、血に飢えた平成の株式市場

  • 高野 譲(株式・先物・FX投資家、個人投資家8年と証券ディーラー8年の経歴を持つ)

ネット証券の一斉広告によって投資家の隅々にまで取引ツールが浸透し、テレビ等でトレードグランプリが催されるムーブメントの最中に、ライブドアショック(新興市場の崩壊)、後にリーマンショック(株式市場の崩壊)と〝事故〟が立て続けに起こった。

私は、ホールで頭を振りながら、家のパソコン画面に映し出された現実について少し考えていた。大きな含み損を抱えたライブドア株と、その関連企業の株価のことである。持ち株の全てが上場廃止になった時、アルバイト先の廊下で一人めまいを起こしたことは、今でもハッキリと覚えている。

ここに挙げた2つのショックは、私にとって耳の痛い「黒歴史」の一部分であるが、このような悲惨な出来事が起こらなければ、今の安定も無いのである。未来に金を投じるこの世界で、投資家が唯一コントロール可能なものが「リスク」であることを忘れてはならない。

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平成の日本株は暴落の歴史

  • 山下 耕太郎(マーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴20年以上)

私が証券会社に入社したのが平成9年(1997)、アジア金融危機の時期でした。おかげで「株は下がるもの」という意識が刷りこまれました。ディーラーになったのが平成13年(2001)10月。前年にネットバブルが崩壊して下落相場となっていました。

個人投資家として独立したのが平成18年(2006)。当時は日経平均株価も2万円近くまで上昇していましたが、平成19年(2007)のサブプライムローン危機から翌年のリーマンショックまで再び暴落相場となりました。

今後は日本の株式市場でも、経済・金融危機などで株価が下がることがあっても、力強い回復を見せてくれることを期待しています。危機のたびにバブル後の最安値を更新するのは、平成の時代で終わりにしてほしいものです。

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FX発、リーマンショック経由、アベノミクス……そして

  • 川島 寛貴(「みんなの株式(みんかぶ)」創業メンバー。通称「為替王子」)

「FXで100万円儲かったらしい」「元手は数万円みたい」そんな心躍るワードが出てくるなかで、必死で教えてもらった会社に口座開設をし、20万円を入金。1か月で全額がしっかりキレイになくなったのは、ご想像の通りである。

リーマンショック」から「ギリシャショック」「チャイナショック」など、ある意味でショックがブームになり、そんななか、「アベノミクス」による上昇相場が勢い良くスタートする。ただ、この相場を買い続ける人はあまりいなかったのも事実だ。

それは「これほどの上昇相場を体験したことがない世代」だったからに他ならない。これは本当に長期上昇のトレンドなのか? そう勘違いし始めた頃、日経平均はわずか数日で3,000円近い急落を演じてみせた。期待に胸と財布とポジションをパンパンに膨らませながらハイになり、そして、灰になったわけだ。

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平成は「SNS」と「ゲーム」の時代だった

  • 網代 奈都子(30代OL。仕事のかたわらトレードを行っており、目下の目標は年間の利益100万円)

この時代を象徴するものとして欠かせない「SNS」と「ゲーム」という2つのコンテンツで、一世を風靡した会社、それはmixiミクシィ<2121>)です。上場は平成18年(2006)。ヤフー掲示板のようなコミュニティサイトと、ブログを合わせたような作りをしていて、当時は画期的でした。

2008年には高値3,200円から安値856円と大きく下落しました。TwitterとFacebookが日本語サービスを開始したのが2008年だからです。しかし、ミクシィは奇跡のような大躍進を遂げます。牽引したのは、平成25年(2013)10月にサービスを開始した「モンスターストライク(通称・モンスト)」。

平成は「ゲームの時代」と言えるでしょう。一方で、ゲームの世界はグローバル化が急速に進んでいます。もしかしたらミクシィは、10年ぶりに再度、黒船との闘いに臨まなくてはならないのかもしれません。

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思い出の銘柄たちで平成の株式相場を振り返る

  • 岡田 禎子(証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立)

筆者は平成元年(1989)に東京・茅場町にある証券会社に入社しました。個人投資家として最初に投資したのは、三井造船(現・三井E&Sホールディングス<7003>)です。僅かながらも利益が出て、「株式相場というのはなんて面白いのだろう」と実感しました。

ITバブルの真っただ中、初めて大失敗した銘柄はアスキー<9473>です。500円程度で買った株価が7,000円以上まで上昇しました。「この勢いでもっと上がるだろう」と思っていた矢先に一気に株価が崩壊し、最終的には上場廃止に……。株式投資の恐ろしさを思い知りました。

株式相場が蘇った平成25年(2013)、資生堂<4911>に魚谷雅彦社長が就任します。個人で活動していた筆者は、本腰でチャレンジしてみようと決めます。4年で同社の株価は約4倍に成長。王道の成長株投資を個人投資家の立場でもしっかり実践できると確信したのが、資生堂でした。

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様々な歴史を刻んだ「平成」が終わり、新たな時代「令和」が始まりました。この時代の株式市場でも、素晴らしい銘柄、素晴らしい相場との出会いが訪れますように。

2019/05/02
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[執筆者]株の窓口 編集部
株の窓口 編集部
「こうすれば絶対に勝てる」「これを買えば儲かる」といった、ひとりの個人の独断や成功体験よりも「普遍的な事実」こそが重要だと考え、小手先のテクニックではない、投資・トレードの本質をお伝えします。多くの個人投資家が無防備なまま株式市場に参加し、大切なお金をなくしています。そうした負の流れを変えるべく、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。
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