株式投資の始め方とコツは? アイドルの卵に学ぶ、株デビューまでの3ステップ

かぶまど編集部
最終更新日:2021-08-13 公開日:2020-04-17

《アイドル界はまさに群雄割拠の時代。生き残っていくのはもちろん、デビューするまでの道のりもそう容易くはありません。それは、新人からベテランまでさまざまなプレーヤーがひしめく株式市場も同じ。そんな株の世界を芸能界になぞらえて、デビューに向けた3ステップをご紹介します》

株式投資を始めるヒントは芸能界にある?

初めての取引で大当たり、デイトレーダーになって日々億単位の取引──。これから株式投資を始めるに当たって、そんな夢を膨らませている人も多いでしょう。しかし、専門用語が飛び交う株の世界は、文字どおり未知のことばかり。学ばなければならないことは山ほどあります。

アイドルの卵もそれは同じ。街でスカウトされたり、芸能事務所のオーディションに合格したりして喜んだのも束の間、発声レッスンに体力作りのトレーニング、ウォーキング、さらにはお芝居の勉強と、忙しい毎日が始まります。

「歌手志望なのに、なんでお芝居の勉強までしなきゃいけないの? お金が出ていくばかり……」。不安が頭をもたげます。

株デビューを目指すあなたも、まずは勉強が必要です。取引を始めるや否やセンスの良さで大成功……なんて甘い目論見が通用する世界ではありません。そう、あなたはまだ売れっ子アイドルでもなければ熟練トレーダーでもなく、デビューを夢見る卵に過ぎないのです。

そもそも株式投資とは?

株式投資ではうまく運用すればお金を増やせますが、そもそも株式投資とは何でしょうか? それは、企業が出資者を募るために発行する「株式」を購入することで、企業に出資する行為です。

企業は、新しい製品を開発するため、工場や機械などの設備投資のため、人材を雇用するためなど、さまざまな理由で多くの資金を必要とします。そこで「株式」を発行して出資してくれる人を募り、集まった資金を活用して利益を生み出すことを目指していきます。

あなたが普段使っている製品を見てみてください。テレビや冷蔵庫、洗濯機、テーブル、洋服、文房具……。世界的に有名な企業の製品も多いのではないでしょうか。

しかし、どんな大企業でも、最初は何もないところからスタートしたのです。 だから、事業の説明をしっかり行って投資家からの信頼を得て、お金を集めたうえで事業を行います。

資金を出してくれた人を「株主」と呼び、株主には出資者のひとりとして、さまざまな権利が与えられます。具体的には、株主総会に参加して議決に関わる権利や、利益分配を受け取る権利などです。

株主になるためには莫大な資金が必要というイメージがありますが、最近では100円単位の少額から始められるケースも増えています。

〈参考記事〉そもそも株って何ですか? あなたが知らない株主のパワーとは

株式投資の種類と選び方

ひとくちに株式といっても、さまざまな種類があります。「どんな株を買ったらいいかわからない」「選ぶ基準がわからない」という悩みは初心者にはつきもの。しかし、株の取引は、実際に始めてみることが何より大きな学びになりますので、買う理由はなんでも構いません。

・自分の好きな会社の株を買う

ひとつの会社を選んで投資する「個別株」なら、自分が好きな会社の株を買うという方法もアリです。例えば、応援しているスポーツチームの親会社とか、好きなブランドの運営会社とか……。

好きな会社の株を買うメリットは、情報を掴みやすいことです。自分の好きなものに関係する情報なら、他の情報と比べて聞き耳を立てる人も多いように、特に情報収集しようとしなくても自然と情報が入ってくるのではないでしょうか。

しかし、個別株の最大のデメリットは、その株の株価が上がっていくとは限らない、悪くすると大きな損失になってしまうこともある、という点です。また、株を購入するために必要な金額が高いケースも心配です。

・投資信託で投資先を分散する

一方、「自分で選ぶのは難しい」「リスクをなるべく抑えたい」という人には、「投資信託」という選択肢があります。

投資信託とは、ファンドマネージャーというお金のプロに自分のお金を預けて、代わりに運用してもらう方法です。この方法なら、ひとつの投資信託を選ぶだけで多くのところに投資できるので、リスク分散になります。

投資信託を購入する場合、配当や売却益が非課税になる「NISA(少額投資非課税制度)」を活用する人も多いでしょう。

ただし、最近は販売手数料は無料の投資信託も増えていますが、運用してもらうための信託報酬(手数料)は発生します。また、数ある投資信託の中には利益を出せていない投資信託もあるので、注意が必要です。

リスクに注意!

何よりも覚えておきたいのは、株価が値下がりするリスクです。ずっと下がり続ける株はないように、どんなに景気が良くても、永久に価格が上がり続ける株式は存在しません。そのため、損失を被るリスクだけは、どんなときも忘れないようにしなければいけません。

また、運用にかかるコストはさまざまですので、事前によく確認しましょう。

大事なお金を投じる先を選ぶのは簡単なことではありませんが、自分がいちばんやりやすいと感じる始め方が一番です。そして、少しずつ取引を続けながらいろいろな手法について学び、練習していくつもりでいればよいのではないでしょうか。

〈参考記事〉どうやって株を選べばいいのか? 初心者が知らない意外な買い方も

株式投資の4つのメリット

ここで、ひとつの疑問が生まれます。株式を購入するだけならお金が減るのでは? 実は、ここから先に「お金を増やせる」理由と株式投資のメリットが隠されているのです。具体的には、以下の4つの理由があります。

1.売却益を得られる

株式投資でお金を増やせる理由のひとつに、株式の売却益があります。購入した株式の株価が上昇した場合、その株式を売却することで「値上がり益(キャピタルゲイン)」が得られます。つまり、買ったときの金額と売ったときの金額の差額が利益になるということです。

例えば、ある企業の株式の株価が1万円のときに1株購入したとしましょう。のちにその株価が上がり、13,000円にまで株価が上昇したときに売却したとすれば、3,000円の利益が出ます。このように、株式を売買することで利益を得られるのが、株式投資の最大のメリットであると言われています。

一方で、株価が値下がりしてしまうケースもあります。このような状況で株式を売却すると、「値下がり損(キャピタルロス)」が発生します。言うまでもなく、株式投資にはこの絶対的なリスクがあることも理解しておかなければなりません。

2.配当金を得られる

株式投資でお金を増やせる理由の2つめが「配当金」です。配当金とは、企業の事業活動によって生まれた利益の一部を、その企業の株式を購入してくれた人(=株主)に還元することをいい、株主が配当金によって得られる利益を「インカムゲイン」と呼びます。

株式を保有するだけで発生する収入(=インカム〔income〕)ということになりますので、まさに不労所得だと言えます。

しかし配当金は、企業によってその金額や支払い回数に違いがあります。また、毎回決まった金額が支払われるものではなく、業績の好不調によって増減したり、支払われなかったりします。

キャピタルゲインだけではなく、インカムゲインも得られる可能性がある──これもまた株式投資のメリットです。

3.株主優待を受け取れる

インカムゲインは配当金だけではなく、日本では「株主優待」も含まれます。株主優待とは企業が株主の持ち株数に応じて自社の製品や優待券などを提供するもので、株主優待を目当てに投資を行う人もいるほどです。

金券や食料品など、提供されるものは企業によって異なりますが、株主に対しての感謝の気持ちを表す、いわば「企業からのプレゼント」。

株価チャートの動きは目で見てもわかりにくいものですが、株主優待品は手にとって楽しめたり、実際に店舗に行って体験できたり、といった「リアル」な点が人気を集める理由のひとつです。

しかし、企業によっては株主優待制度がない場合や、制度があっても廃止する場合がありますので、株式を購入する前にしっかりと確認しておきましょう。

4.銀行預金よりも利回りが大きい

一般に、株式投資によって資金(=資産)を運用する場合、その利回りは銀行預金より大きくなります。これが株式投資でお金を増やせる4つめの理由です。

銀行預金の利回りが0.001%程度、ネット銀行で金利が高くても0.1%程度であることを考えれば、手元の資金の増え方に大きな差があることがわかります。もちろん、それは利益が発生した場合であり、損失が発生した場合は利回りがマイナスになるケースも当然あります。

確かにリスクはある、しかし、お金を大きく増やせる可能性もある。その可能性が株式投資の大きな魅力であることは間違いありません。

〈参考記事〉株式投資でお金を増やせる理由と、その先にある「自由」

株式投資の始め方・日常にアンテナを張り知識を得る

基本的な知識がわかったところで、いよいよ株式投資の始め方について学びましょう。株デビューのためのファーストステップ、それは、日々の出来事に敏感になることです。

テレビやラジオ、インターネットのニュースを見る、聞く、読むことはもちろん大切ですが、すべてを必ず実践しなくてならないかというと、そんなことはありません。普段より、ほんの少しだけ注意深く生活してみる。それだけで、さまざまなニュースが身の回りに溢れていることに気づくはずです。

たとえば、休日によく行くお気に入りの洋服屋。調べてみると東証1部に上場している企業のブランドらしく、近ごろ株価が右肩上がりのようです。

あるいは、いつもランチに通う全国チェーンのレストラン。メニューを刷新したのですが、どうも味が落ちているようで、客足は伸びていません。では株価は?

日々接する身近な企業がどんな取り組みをしているか、その取り組みに自分はどんな印象を持ったか。こうしたアンテナを張ることが株デビューの第一歩であり、これによって少しずつ、幅広い知識と判断力が身についていきます。

歌手志望であっても芝居を学ぶ必要があるのと同じように、一見関係ないことのように見えて、思わぬ気づきを与えてくれることは日常で数多くあります。つまり、難しい書籍や講座で理論・手法を学ぶことばかりが株式投資の勉強ではないということです。

自分が見てどう感じるか、それが実際の株価の動きにどう反映されているか、日常のすべてが株式市場の勉強の基礎となるのです。

もちろん、時には本を購入したり、セミナーに参加したりすることも必要でしょう。しかし、お金を払って勉強したからといって、必ず利益が出るわけではありません。

今はネット上にさまざまな無料情報が溢れていますので、それらを上手に利用しながら、デビューに向けて基礎をしっかりと固めていきましょう。

株式投資の始め方取引は最小金額から

日々レッスンに励んでいたおかげで、ようやく人前で歌えるチャンスが訪れました。

会場は日本武道館……ではなく、地方都市のショッピングモールの特設ステージ。たくさんの観客に囲まれることはなく、それどころか、立ち止まって歌を聞いてくれる人はひとりもいません。想像していた華やかな舞台とはかけ離れた、ひっそりとした初ステージです。

株の世界も同じで、はじめは最小限の投資額から、ひっそりとスタートするほうがいいのです。

たとえ投資資金が100万円あったとしても、全額を使ってはいけません。日常生活の中から株価につながる情報を収集し、株価の動きも理解して、ひょっとすると自信も持っているかもしれませんが、まだまだ平凡な卵に過ぎないのですから。

実際に取引を行うには、証券会社に口座を開き、投資資金を入金する必要があります。どこの証券会社を使うかは、取引のしやすさや、システムの使いやすさ、手数料の安さなどがポイントとなりますが、株式投資を始めて日が浅いうちは、それほどこだわらなくてもよいでしょう。

いくつかの証券会社に口座を持ち、使いやすいところを探していくのもいいかもしれません。

株式投資の始め方3損をしても慌てない

ショッピングモールのステージにも少しずつ人が集まってくれるようになり、いよいよCDを発売できることに。とはいえ、そこは競争の熾烈な芸能界。デビューしたからといってすぐに人気が出るものではありません。それでも少なくとも、もう卵ではなく、ひとりの立派なアイドルです。

では、株の場合はどうでしょう?

少額から取引をスタートし、少しずつ経験を積み始めてみると、利益を出すのがそう簡単ではないことがわかってくるはずです。日々の生活の中で得た情報や身につけた知識は、言わば事象の後追いに過ぎません。

どういうことかといえば、一般に株価というのは期待感を背景に上昇し、実際に人気や利益が出て世の中がその話題でいっぱいになった頃には、すでにピークを打っていることが多いのです。

しかし、これまで学んだことは必要な知識であり、日々の積み重ねは間違いなく糧になっています。実際の取引を経たことで、株価の動きを身を持って実感することもできたでしょう。

大切なのは、たとえ損をしても、その金額を取り戻そうと欲を出さないこと。そして、現在の手持ち資金を見直し、知識と経験を着実に積み重ねていくことです。実際に取引を始め、株の世界に一歩を踏み出したあなたは、もう卵ではなく、れっきとした投資家・トレーダーです。

株デビューは人生の大きな一歩

株式投資デビューは必ずしも華々しいものではないでしょう。日常の延長のような、ささいな出来事に思えるかもしれません。あるいは、苦々しい思い出となるかもしれません。

しかし、株式投資を始めようと思った日からデビューに至るまでの道のりには、新しく得た知識やさまざまな人との出会い、乗り越えた困難などがいくつもあったはず。普段なら出会う機会のない企業経営者の考え方にふれ、自身の生き方や働き方に影響を及ぼすこともあるでしょう。

それらの経験は、今後のあなたの生活をより豊かにしてくれるものです。思い切って踏み出したその一歩は、人類にとっては小さな一歩かもしれません。ですが、あなたの人生にとっては、きっと大きな一歩となるはずです。

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[執筆者]かぶまど編集部
無防備なまま株式市場に参加して大切なお金をなくしてしまう人をひとりでも減らしたい──そんな思いから、未来の株価や相場を予測するのではなく、過去の事例やデータといった「普遍的な事実」に焦点を当てた記事を発信します。同時に、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。
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