さらに進む相場の二極化 株価爆発でプロも警戒する銘柄は…

株の学校ドットコム 2020/08/03

《長い長い梅雨となった今年の7月。株式市場もまた、空模様のように大きな動きのない月でした。そんな7月相場を、株の学校ドットコム講師の窪田剛氏が振り返ります。プロトレーダーが気になる銘柄とは》

7月相場で上がった株・下がった株

2020年7月の株式市場は、1か月を通してほぼ横ばいでした。前半はコロナ禍も落ち着いた雰囲気になり、株価も一気に上昇するようにも見えましたが、日経平均株価は23,000円を超えきれずに失速。上値が重くなり、最終営業日に大きく崩れてしまいました。

目立ったのは、コロナ禍を追い風にする企業の株価の上昇と、逆風に耐えきれずに底割れしてしまった企業の差。二極化はまだまだ続いています。

そんな2020年7月の相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います。

【2020年7月の売買代金トップ20】

順位 証券コード 銘柄 売買代金
1 9984 ソフトバンクグループ 3.4兆円
2 7974 任天堂 9301億円
3 8035 東京エレクトロン 8642億円
4 6758 ソニー 8601億円
5 9983 ファーストリテイリング 7678億円
6 7203 トヨタ自動車 6583億円
7 6920 レーザーテック 5338億円
8 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 4967億円
9 4563 アンジェス 4774億円
10 6861 キーエンス 4366億円
11 8316 三井住友フィナンシャルグループ 3506億円
12 6594 日本電産 3500億円
13 6857 アドバンテスト 3489億円
14 6954 ファナック 3218億円
15 4502 武田薬品工業 3151億円
16 6367 ダイキン工業 3076億円
17 7751 キヤノン 3074億円
18 3911 Aiming 3030億円
19 7707 プレシジョン・システム・サイエンス 2996億円
20 4519 中外製薬 2810億円

【2020年7月の値上がり率トップ20】

順位 証券コード 銘柄 値上がり率
1 4772 ストリームメディアコーポレーション +93.7%
2 6334 明治機械 +73.3%
3 3915 テラスカイ +55.0%
4 5337 ダントーホールディングス +52.8%
5 3558 ロコンド +52.6%
6 6093 エスクロー・エージェント・ジャパン +46.1%
7 6736 サン電子 +45.9%
8 3542 ベガコーポレーション +45.7%
9 2138 クルーズ +45.5%
10 4308 Jストリーム +44.9%
11 6347 プラコー +44.3%
12 4477 BASE +43.0%
13 6945 富士通フロンテック +42.1%
14 8194 ライフコーポレーション +41.5%
15 6532 ベイカレント・コンサルティング +41.4%
16 4479 マクアケ +41.2%
17 4599 ステムリム +40.6%
18 4760 アルファ +38.8%
19 9969 ショクブン +37.8%
20 3094 スーパーバリュー +37.5%

【2020年7月の値下がり率トップ20】

順位 証券コード 銘柄 値下がり率
1 3189 ANAP −60.5%
2 4465 ニイタカ −46.6%
3 6897 ツインバード工業 −42.4%
4 4336 クリエアナブキ −39.1%
5 4052 フィーチャ −39.0%
6 2440 ぐるなび −38.9%
7 3267 フィル・カンパニー −38.7%
8 8209 フレンドリー −37.9%
9 6734 ニューテック −37.4%
10 3073 DDホールディングス −36.6%
11 7674 NATTY SWANKY −36.4%
12 3970 イノベーション −36.2%
13 1712 ダイセキ環境ソリューション −36.2%
14 4588 オンコリスバイオファーマ −36.1%
15 3608 TSIホールディングス −35.9%
16 4563 アンジェス −35.7%
17 4434 サーバーワークス −34.7%
18 4712 KeyHolder −34.5%
19 7918 ヴィア・ホールディングス −34.0%
20 6558 クックビズ −33.9%

気になる銘柄をピックアップ

この中から、気になる銘柄をピックアップしてみます。

・売買代金

  • 1位:ソフトバンクグループ<9984>

引き続き、売買の中心となっています。月末に追加の1兆円自社株買いを発表したことで、株価はさらに上昇しましたが、その後は失速。大きな陰線を描いてしまいました。これまでの大きな上昇の反動もあり、8月は調整する日が多くなりそうです。

ちなみに、この「1兆円」というのがどれくらい大きいのかはわかりづらいかもしれませんが、7月の売買代金2位の任天堂が9301億円。ひと月の任天堂の売買すべてを足してもまだ足りない大きさ、ということです。これだけの買いが入るなら買い先行になりますよね。

  • 7位:レーザーテック<6920>

長く上昇してきた半導体関連銘柄の主役も、ついに7月は調整の月となってしまいました。コロナショック後に大きく上昇していたため、こちらもしばらく調整が続くかもしれません。

  • 13位:アドバンテスト<6857>

5G関連銘柄として上昇していましたが、米中貿易摩擦の影響もあって決算内容が悪く、月末にはストップ安をつけてしまいました。日経平均全体の下落を牽引するような大きな下落。嫌な感じで7月を終えました。

・値上がり率

  • 3位:テラスカイ<3915>

コロナ禍でも強いクラウドサービスを展開。本家アマゾンやマイクロソフトも大きく業績を伸ばすなか、同社も大きく上昇しました。やはりDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタルを利用した改革)関連は強いですね。

  • 12位:BASE<4477>

簡単にECサイトを作れるサービスを展開。外出を控える人が多いなか、ネットで買物をする人が増えたことで実際に業績も伸びていますが、それ以上に株価が爆発しています。上がり過ぎかなと思いますが、それがマーケット。まだまだ上がるかもしれないし、もう下がるかもしれない。いずれにしても、この先も注目したい銘柄のひとつです。

  • 16位:マクアケ<4479>

コロナ禍で営業できないお店や販売できなくなってしまった商品に光を当てて、ファンやお客さんから資金を集める形のクラウドファンディングが注目され、株価も大きく上昇。こちらも上のBASE同様に注目の銘柄です。ただ、もうそろそろ終わる気も……。どうでしょうか。引き続き注視します。

・値下がり率

  • 6位:ぐるなび<2440>
  • 20位:クックビズ<6558>

ともに飲食店向けサービス。ぐるなびは広告。クックビスは人材紹介。営業できないレストランが広告・宣伝を絞るのは当然だし、働く人を募集しないのも当然。しばらく冬の期間が続きそうです。ぐるなびはコロナショック時につけた安値も割り込んで、底割れしてしまいました。

一日も早く、また気兼ねなく「ぐるなび」を利用して食事できる日が戻ってほしいですね。

  • 1位:ANAP<3189>

外出しなくなると売れないのが服。しかし同社は、「新型コロナウイルス治療のために当社の持つ画像認識技術を提供する」というニュースで、コロナ禍でも一時大きく株価が上昇しました。しかし、その後は大きく下げてしまい、下落率トップに。

こういったニュースでも株価は上昇しますが、それは本質的ではありません。こういう銘柄をしっかりと見極めて判断することは、とても大事です。

決め打ちせずに備えよう

2020年7月は、コロナ禍において大きく業績を伸ばす企業と、どうしようもなく下落を続ける企業の二極化がさらに進んだ月となりました。

とはいえ、さすがに上がり過ぎかなと思う銘柄が多く、注意が必要な局面に入ってきた印象です。まだまだ上昇するかもしれないし、大きく上昇した分、大きく調整する可能性もありますし、その一方で、「夏枯れ相場」といわれるように身動きが取れない8月になるかもしれません。

「今月はこうする」と決め打ちせずに、しっかりと過去を振り返り、相場に合わせていくのが最善の策です。チャンスにしっかりと備えて、トレードの勉強と準備をしておきましょう。

(株の学校ドットコム講師・窪田剛)

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